連休に姪の家族からバーベキューをしようと持ちかけられ、暇に任せて自動回転式     
  ロースター(グリル)を製作した。以下は今後製作を検討している人の参考になれば    
  と思い公開しちゃいます。                              


廃品のアルミをカッターで切り出してパネルを作る。厚さ3mmの反射板用硬質アルミ板。
鉄やステンが簡単にカットできるカッターも超便利な道具だがチップソー替え刃が4千円
もして固い鉄などを切るとすぐダメになる。またアルミを切ると刃にアルミが焼き付いて
切れなくなる。アルミ専用刃でも同じようなことが起きる。             

黒いのは底になるパネルでこれも鉄くずから探し出したパネル。(520x280mm)     
(通信用標準架に取り付けられていた電源装置のバックパネルを拾ってきた。)    
物造りの基本は鉄くずを如何にして大量に長期に亘り保管できるかにかかっている。  

正面になるパネルを半分に切り蝶番を付ける。炭をおこすとき便利。

アルミパネルに通気用の穴を開けた後リベットで底板に留めていく。高さは約250mm。
エアー式工具は作業がはかどるし手が痛くならないのでお勧めだ。         

6mmの鉄棒と3mmの鉄棒を使ってこのような部品を作る。左の鉄棒は長さ600mm。   
U字型の部品はモーターと回転シャフトのカップリング。上段の部品は肉の回転止め。 
あとからこのU字カップリング方式ではダメなことが分かった。           

肉の回転止めは12mmの鉄棒に6mmの穴を貫通し、さらに直角に3mmの穴を開け    
タップでメスネジを切る。                            

ねじ切りに便利なダイスやタップは1mm〜8mmぐらいまでこうしたセットになって販売 
されている。有ると便利な道具だし高価な物ではない。               

L形の回り止め金具はこのようにセットする。なお6mmの鉄棒で肉3kg位には耐えるだろう。

DCギヤモーターは小型の物で良い。今回はツカサ電工製TG-47A-LGを使用した。    
DC24V仕様で減速比224:1 19.4RPM トルクは2Kg-cmだが必要にして十分な性能だ。 
このモーターを本体に取り付けるためにベース部分を作る、アルミの端材でOKだ。  

モーターを本体に取り付ける。問題は熱がどれだけ伝わるかだ。

シャフトとモーターをカップリングを使って接続してみる。 
中心軸合わせをしっかりするとモーターに無理がかからない。

回転テストをしたところU字型のカップリングでは90度の遊びがあるためシャフトに摩擦が
ないと焼くときの肉のアンバランスでガクンと回ってしまう。そこでこのように遊びがでない
ように2段式のU字に加工し直した。細いので溶接が難しい。              

バックラッシュの少ないフランジの噛み合わせ。右手の丸い金具は鉄棒の滑り止め。     
なぜこのような機構が必要かというとモーターと鉄棒の中心軸のズレやたわみを吸収するため。

底を約5cm浮かせるために鉄棒を溶接した台を作りその上に市販の網をカットして載せる。

前面から見るとこのようになる。この網の上で炭をおこすのだ。パネルが開くと便利だ。
なおパネルが開かないようにロックを付けたり(右)ストッパー(左)も取り付けた。 

脚を自作しようとしたが良い材料がないので市販の座卓脚を取り付けた。(980円)

こんな感じになった。やはり高さがないと色々やりにくいと思う。

続いて回転数を変えるための回路製作に進む。これは簡単で単にDCモーターの電圧を可変す
るだけだ。SW付きのVRでLM317三端子レギュレータを制御する。<回路図はここ>  

モータの負荷電流は100mA前後なので500mAを1時間ぐらい流してICの発熱をみる。

連休に間に合わせるべく何とか完成したが..要はうまく焼けるかということだ。
取りあえず試し焼きをすることにして準備にかかった。調理していない鳥は安い。

鳥を丸ごと一羽タレに漬けて下ごしらえをしておく。タレは酒、ミリン、醤油、砂糖、タマネギ
ローズマリー、唐辛子、ニンニクなどを混ぜたものだ。長時間漬けないと味が染み込まない。 
こうしてビニール袋で処理するとタレに無駄がない。味はなめてみて決める。 一羽398円だ。

火力の具合が分からないので適当に炭をおこして鳥を刺して回転させてみた。期待通りに
回ってくれたが重量配分がアンバランスなので完璧にスムーズな回転とまではいかない。
モーターの力は十分である。およそ10〜20rpmぐらいで回してみた。      

グルグル回すこと約30分..焦げ目が付いてきたのでもういいかな.と試食にかかる。
心配していたモーター部の温度上昇はほとんどなく快適に回った。焼き加減を見て炭の位
置を変えると全般にわたって焼け方が均一になる。                 

旨そうに焼き上がったのだが...。実は失敗だった。 急いでやったのでタレに浸ける
時間が短すぎて中まで浸透していなかったことと、表面は旨そうに焼けたのだが中心部に
火が通っていなかった。焼けたのは皮だけで焦げても中はまだまだである。焼き方として
はもう少し火力を弱くして45分ぐらい焼けばいいことが分かった。今回はひな鳥   
(約1.2kg)なので今後の調理の火加減や時間は経験に頼るしかなさそうだ。   
鳥は肉に厚みがあるので丸ごと焼くのは難しい。次回もダメなら上部を蓋で覆うようにし
たら良いと思うが、これは回るのを見るのが本命だから価値が無くなる。       

こんなわけでGWを前に駆け込みで造った自動回転グリルがどれだけ好評を博すか楽しみである。

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